
ある相談者様Aさんがおっしゃった言葉です。
入院中のお母様は医師から余命三ヶ月と診断されていましたが、Aさんは告知すべきかどうか悩んでいました。
お母様はそれを知らないまま治療を続けていましたが、容態は日に日に悪化の一途を辿ります。

そしてある日、お母様は病室でAさんにそっとこう告げました。「もう長くないんだろ?ありがとうね。あんたにばっかり負担掛けて・・・これ以上あんたにばかり迷惑かけたくないんだよ、私。お葬式とかはしなくていいからね。」「必死でごまかしましたけど、ごまかしきれてなかったと思います。」とAさん。
こんな後味の悪い思いをするのなら、思い切って告知をした方がよかったのではないか・・・?そんな後悔の念で頭がいっぱいになるのと同時に、初めてお母様の口から出た「葬儀」という言葉。Aさんにとって「葬儀」は、初めてで、何から手をつけていいものか、さっぱりわからない得体のしれないものでしたが、告知の件のような後悔はもうしたくないという気持ちが強かったそうです。

Aさんはどうしてよいかわからずに、県外に住むお兄様に電話で相談をしました。「葬儀って・・・葬儀屋がしてくれるんだから、俺たちは任せておけばいいんだよ。それに、亡くなってないのに そんな話をするなんて不謹慎じゃないか!」お兄様のけんもほろろな返答にAさんは困っていました。
「お葬式をしないって・・・、じゃあ母はどうなるのだろうか?」インターネットで調べると、確かに葬儀をせずに火葬場へ直行する「直葬」といったものがあるようです。 また、事前に特定の葬儀社に見積りを出してもらう「事前相談」「事前準備」といったものもしておいた方が良いことを知りました。